思いつきのひとり旅 1-3

【3日目:長野経由で帰路へ──静かな夜明けと温もりの余韻】

夜中の3時ごろに目が覚め、誰も走っていないような時間帯を狙って、なるべく家の近くまで戻ろうと車を走らせました。夜の静まり返った道路を、ひとり黙々と走る帰り道もまた、ひとり旅ならではの時間でした。

夜が明けてからも朝8時ぐらいまでは車も少なく、スムーズで快適に走ることができました。

道中、ふと気づいたのは、ワイン畑が広がる風景があちこちにあったこと。特に「井筒ワイン」など、地元のワイナリーが並ぶ一帯を通ったときは、思わず車を停めて眺めたくなるほどでした。長野県のワイン文化の深さを感じ、いつかゆっくりワイナリー巡りをしてみたいと思わせる景色でした。

ただ、愛知県に近づくにつれて徐々に交通量が増え始め、次第に渋滞に巻き込まれるようになっていきました。行きの渋滞のことも頭をよぎり、最終的には多治見から高速道路に乗って、スムーズに帰宅する道を選びました。

けっこう下道を走ったから高速料金もそれほどかからないだろうと思っていたのですが、思いのほか約3,000円もかかってしまい、これは完全に誤算でした。とはいえ、通ってしまったものは仕方がないと気持ちを切り替えて、その後、母の日だったことを思い出し、近くのホームセンターでカーネーションを買って帰ることにしました。旅の締めくくりに、ちょっとした感謝の気持ちを添えることができてよかったです。

以上が今回の2泊3日の旅でした。でも不思議なことに、帰ってからもテンションが高かったのか、全然眠くならず、夜までずっと絶好調なままでした。

……が、次の日になると、どうやら旅中にハンドルを切りすぎたせいか、なぜか右手だけが筋肉痛になっていました。それすらも、なんだか旅の名残のように感じて、ちょっと笑ってしまいました。

今回の旅の走行距離は、1200㎞